
【この記事で分かること】
- 2025年人事院勧告の具体的な引き上げ内容と根拠
- 30代・40代職員に用意された「給与のグラデーション」の正体
- 人事委員会の有無が、あなたの給与口座に与える影響
- 差額支給(バックペイ)が手元に入る具体的なタイミング
早いもので2025年もあとわずか。地方自治体の職員の皆さんにとっては、12月の期末・勤勉手当(ボーナス)の明細を手にするとともに、2025年人事院勧告に伴う差額支給を前に、「結局、自分たちの給料はいくら増えるのか?」と計算に余念がない時期ではないでしょうか。
今年は「34年ぶりの大幅な引き上げ」という景気の良いニュースが飛び交いましたが、実際のところ、自治体や年齢層によってその恩恵にはかなりの「温度差」があります。
特に、今の役所を支える中心層である30代・40代の職員にとっては、手放しでは喜べない「ある現実」も見え隠れします。今回は、元・行政の実務担当者の視点から、2025年の人事院勧告に伴う給与改定のポイントを整理して解説します。
さゆり人事院勧告のしくみ、しっかり押さえておきましょうね!



ちなみに、2026年人事院勧告の予想記事は↓こちらにゃ!





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【2025年人勧まとめ】平均1.5万円増!でも「全年齢一律」ではない?
2025年(令和7年)の人事院勧告は、民間賃金の高い伸びを反映し、月例給を平均3.62%(15,173円)、ボーナス(特別給)を0.05月分引き上げるという、異例の内容でした。
三位一体の改革や集中改革プランの中で、公務員の定数削減や給与カットが求められる中、公務員叩きが激しい時代もありましたが、そういった時代を乗り越え、ここまで明確に「賃上げ」が打ち出されたのは、やはり深刻な若手不足が背景にあります。
一次情報で確認する勧告のポイント
詳しくデータを確認したい方は、以下の人事院公式ページを参照してください。
人事院:令和7年 給与勧告のポイント(公式PDF)
ここで注意したいのは、この「平均1.5万円」という数字の「中身」です。勧告の資料を読み解くと、非常に戦略的な配分がなされていることが分かります。
- 初任給の大幅な積み増し:大卒、高卒ともに1万円を大きく超える引き上げ
- 若手層への手厚い配分:20代職員には、民間との格差を埋めるべく高い伸び率を設定
- ボーナスの配分:「勤勉手当」への重点配分(要するに、頑張った人に報いる形)
「よし、自分も1.5万円増えるんだな!」と期待した中堅職員の方は、少しだけ立ち止まって次の章をご覧ください。
年齢によるグラデーションの正体。30代・40代が直面する「現実」
今回の改定で最も注目すべきは、「年齢(号俸)による伸び率の差」です。確かに全世代でベースアップは行われますが、その上がり幅には明確なグラデーションが設定されています。
初任給重視のしわ寄せ?
近年、自治体は「新卒採用の確保」に必死です。民間企業との初任給合戦に負けないよう、初任給付近の引き上げ額は極めて高く設定されています。
一方で、私たちが最も気になる「30代後半〜40代の中堅層」はどうでしょうか。
| 年齢層 | 改定の傾向 |
|---|---|
| 20代(若手) | 【特盛り】初任給とのバランスを保つため、最高水準の引き上げ率。 |
| 30代(中堅) | 【並盛り】若手ほどではないが、一定の底上げ。住宅ローン世代には追い風。 |
| 40代以上(ベテラン) | 【控えめ】引き上げ額は定額に近い形。伸び率で見ると若手の半分以下になることも。 |
「若手ばかり上がって、責任が重い自分たちの上がり幅が少ないのは納得いかない……」
そんなため息が庁舎の廊下から聞こえてきそうですが、これが今の「人材確保」を最優先した給与表(給料表)の現実です。



こういう中堅軽視の姿勢が、組織全体の活力をじわじわ削いでしまうんだにゃ…



もし今の給与水準や給与体系に疑問を持ったなら、一度「外の世界」の話を聞いてみるのも、意外とアリかもしれませんよ!


「差額支給」の期待値
とはいえ、そうは言っても、全体で見ると34年ぶりの大幅改定であることに変わりはありません。
例えば、月額が平均5,000円〜8,000円程度引き上がる40代職員の場合、4月に遡って計算される「差額支給」の総額は、ボーナスの増額分も含めると5万円〜10万円程度のまとまった金額になる可能性があります。
これは年末年始の出費がかさむ時期、非常に大きな「軍資金」になります。


【自治体の壁】人事委員会の「有無」で給与改定のスピードが変わる
ところで、自治体職員同士で情報交換をしていると、「うちはもう決まったよ」「いや、うちはまだ…」のように、この人事院勧告に伴う対応にはスピード感の差が出ているように感じます。
これは、もちろん自治体の実務レベルのスピード感にも影響されているのでしょうが、一番最初にチェックすべきは、「人事委員会」の存在。
都道府県及び政令指定都市には必置になっているこの人事委員会は、自らが首長に独自の給与改定を勧告できる権限を有しており、必ずしも国の動きに引っ張られるわけではありません。
一方で、一般に中核市以下の自治体だと、国の人事院勧告に準じた形で給与改定を行うため、国の給与法の閣議決定や議決など、国における動きに合わせて、自分ところの自治体の給与条例を触ることになるので、スピード感が変わってくるのです。
都道府県・指定都市と比べて中核市以下自治体の動きが遅いのは、こういった事情によるものなんです。



ちなみに、和歌山市は中核市でありながら人事委員会を設置している、珍しい自治体なんです。
【気になる懐事情】差額支給(バックペイ)はいつ?いくらもらえる?
多くの自治体では、12月の期末・勤勉手当と同時、あるいは12月の月例給与での精算を目指しています。もし議会のタイミングがずれ込んだ場合は、1月の給与での精算になるケースもあります。
30代・40代の差額シミュレーション
40代・主任級(月額8,000円アップ)の場合、4月〜11月の8ヶ月分差額(64,000円)にボーナス増分を加えると、額面で約8万円〜8.5万円程度の臨時収入になる計算です。ここから税金等が引かれますが、手元には5万円〜7万円程度が残るでしょう。
行政のプロが教える「給与増」を「資産増」に変える方法
大幅増額とはいえ、物価高騰を考えれば生活が楽になった実感は薄いはずです。だからこそ、この「差額支給」という浮いたお金をどう使うかが重要です。
おすすめのアクション
- 新NISAのスポット購入:差額分をそのまま成長投資枠に回す。
- iDeCoの拠出額検討:来たる拠出枠改正に向けた設定見直し。
- 自己投資:組織に依存しすぎないためのスキルアップ。
公務員の最大の武器は「信用の高さ」と「安定性」です。この土台があるからこそ、少々のリスクを取った長期投資が将来的に大きな果実を生みます。
まとめ:2026年以降の展望と「個人の備え」
以上、本日は2025年の人事院勧告について振り返り、差額支給のタイミングなどについて考察してみました。
2025年の給与改定は明るいニュースでしたが、一方でここまでしないと民間企業に人材をとられてしまうと言う、「公務員の人材不足」という大きな課題を、結果として浮き彫りにしてしまうことになりました。
こういった労働市場の状況では、今後の若手重視の給与体系は傾向は続くでしょう。財政面のみならず人事面においても自治体運営の厳しさが増す中、「組織はあなたの生活を一生保障してはくれますが、豊かにしてくれるとは限りません」。
増えた給与をどう活かすかは、あなた次第です。まずは12月の給与明細をじっくり眺めることから始めてみませんか?





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