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【2026年予想】人事院勧告はどうなる?元財政課長が読み解く「3年連続の大幅ベア」の可能性と、公務員給与の未来

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【この記事で分かること】

  • 2026年春闘の最新動向と賃上げ予測:連合が掲げる5%以上という高い目標や、民間企業において3%弱のベースアップが実現する可能性についての具体的な予測データ。
  • 物価高と実質賃金のゆくえ:インフレが続く中で、2026年度にようやく生活の改善を実感できるレベルまで実質賃金がプラス転換する見通しとその背景。
  • 給与制度アップデート第2ステージの具体的な変更点:2026年4月からの在級期間の廃止や、最低賃金割れを防ぐための補填手当の新設といった、私たちの給与明細に直結する新制度の中身。
  • 地方財政の舞台裏と予算編成のジレンマ:マクロの人勧対応経費の確保状況と、現場の自治体が直面する人手不足解消のための攻めの改善と財政規律との間での苦悩。

2025年、私たちは過去最大級のベースアップを目にしました。しかし、記録的な給与改定に安堵したのも束の間、スーパーの棚を見れば物価高騰は続き、実質的な生活のゆとりを感じるにはまだ遠いのが現実です。

年が明け、役所内では令和8年度(2026年度)予算の最終調整がピークを迎えています。そんな中、現役職員の皆さんの頭をよぎるのは「来年の人勧(人事院勧告)も上がるのか? それとも、そろそろ頭打ちか?」という切実な問いではないでしょうか。

さゆり

実は、Googleなどの検索データを見てると、早くも2026年の人事院勧告の動向を気にする声が急増しているんです!

財政課長として予算のパイの奪い合いをジャッジし、総務省で制度の根幹に触れてきた私の経験から言えば、2026年の勧告は、これまでの「制度のアップデート」が真の正念場を迎える年になると予測しています。

今回は、決定したばかりの2026年春闘方針や経済予測に基づき、2026年の人事院勧告が、そして私たちの給与がどう動くのか、その「急所」を読み解いていきます。

さゆり

最近、役所での仕事に不満を持っている方には、こちらの記事もオススメです!

目次

2026年春闘の行方:民間賃上げは「5%超」が定着するか?

人事院勧告の最大の指標となるのが、民間の賃上げ動向、すなわち「春闘」の結果です。ここでの数字が、私たちの8月の運命を左右します。

連合の方針や経済団体の動きから見る、2026年の賃上げ予測

労働組合の中央組織である連合は、2026年春闘の方針として、定昇相当分を含めて「5%以上」の賃上げを目指すことを正式に決定しました。これは2024年、2025年と同じ極めて高い目標水準を、3年連続で維持する形です。

特筆すべきは、非正規労働者の賃上げ目安を「7%」と、初めて具体的な数値で高く掲げた点です。これは、深刻な人手不足を背景に、もはや

賃金を上げなければ組織が維持できない

という強い危機感の表れでもあります。

経営者側(経団連)も、構造的な人手不足を背景に、賃上げを「コスト」ではなく「人への投資」と捉える姿勢を強めており、多くの民間企業がこの高い水準に応じる経営環境にあると予測されています。

「3%弱」のベースアップが実現する可能性についての専門家の見解

勧告において最も重要な「ベースアップ(ベア)」部分についても、連合は「3%以上」を要求の目安としています。

多くのシンクタンクやエコノミストの予測では、2026年の民間賃上げ率は4.4%〜5.2%程度で着地すると見られています。定昇分を差し引いても、ベースアップだけで3%弱の引き上げが実現する可能性が非常に高い状況です。

もしこれが実現すれば、公務員給与もそれに見合う形で3年連続の大幅な月例給改善が期待されることになります。財政課長時代の感覚で言えば、これほど「ベアありき」で予算を構えなければならない状況が続くのは、過去数十年にない異常事態とも言えます。

ねこ

いかにもインフレ、って感じの局面なのにゃん。

さゆり

給与が上がるのは良いですが、役所から見れば歳出増ですし、これに伴ってさまざまな物価が上がりますしね…悩ましいです。

物価高騰と「実質賃金」:勧告に求められる「生活防衛」の視点

2026年度の公務員給与を考える上で、絶対に外せないキーワードが「実質賃金」です。

さゆり

大学で経済学を勉強した人は聞き覚えのある言葉ですよね。

これまで私たちは、名目上の給与が上がっても、それ以上のペースで物価が上昇し、手取りの価値が目減りし続ける「生活の苦しさ」に直面してきました。

インフレが続く中、単なる「民間準拠」だけでは公務員の生活を守れない現状

経済予測によれば、2026年度は物価上昇率が2パーセント程度に落ち着く一方で、名目賃金の上昇率がそれを上回る2.8パーセント程度になると見込まれています。つまり、ようやく実質賃金が1パーセント程度のプラスに転じ、3年ぶりに「生活の改善」を実感できるフェーズに入ると予測されているのです。

しかし、現場の職員からすれば、過去数年の「物価負け」による蓄えの減少は深刻です。

人事院勧告には、単に今年の民間賃上げに追随するだけでなく、職員の生活基盤を立て直すための生活防衛としての役割が、かつてないほど強く求められています。

ねこ

最近は、キャットフードも値上がりが著しいのにゃん…

さゆり

ねこの世界には、おこめ券ならぬ「キャットフード券」の配布が必要かもしれませんね。

「給与制度のアップデート」の第2ステージ

2024年度から本格化した「社会の変化に応じた給与制度のアップデート」は、2026年度にいよいよ第2ステージ、つまり「運用の定着と深化」の段階に入ります。

2024年〜2025年に始まったアップデートが、2026年にどう深化するか

2026年4月からは、長年公務員の昇格を縛ってきた「在級期間制度(一定期間同じ級に留まることを求めるルール)」とその期間表が完全に廃止されます。これにより、年次に関係なく、能力や職責に応じたスピーディーな昇格が可能になる仕組みが整います。

また、地域手当の大括り化(広域化)も2年目を迎え、制度の歪みを修正する動きが加速します。特に、地域別最低賃金の急激な上昇に伴い、公務員の初任給が逆転しかねない状況への対策も強化されます。

注目:2026年4月から「最低賃金割れ」を防ぐ補填手当が開始

特筆すべきは、2026年4月から導入される新たな措置です。月例給の水準が地域別最低賃金に相当する額を下回る場合、その差額を直接補填する手当が新設されることになっています。

これは、民間賃金の高騰にいかに公務員給与が追いついていないかを示す象徴的な動きであり、2026年の勧告においても、初任給を中心とした若手層の「底上げ」が、引き続き最優先事項となることは間違いありません。

差額支給はいつどれくらい入る?

多くの職員が最も関心を持っているのが、人勧に伴う「差額支給(バックペイ)」でしょう。

例年通り、8月に勧告が出て秋に条例改正が行われれば、12月のボーナス時期や翌年1月の給与に合わせて、4月に遡った差額が一括で支給されます。

例えば、月額8,000円程度の改善がなされた40代職員の場合、4月から11月までの8ヶ月分の差額(64,000円)に、ボーナスの増額分を加えると、額面で8万円から10万円程度のまとまった臨時収入になる可能性があります。物価高で苦しい家計にとって、この「軍資金」の有無は非常に大きな意味を持ちます。

ねこ

2026年の差額支給がどれくらいになるか、今から楽しみなのにゃん!

さゆり

今年も結構入ってきた人が多いみたいですしね!

元財政課長の予測:2026年勧告は「攻め」か「守り」か

今後の展開を占う上で、私が最も注目しているのは「国の財布」と「地方の現場」の温度差です。2026年度の予算編成において、このギャップがどう埋められるかが最大の焦点となります。

2026年度地方財政対策で、マクロの「人勧対応経費」は盛り込み済み

意外と知られていないことですが、国が策定する「地方財政計画」の中では、すでに人事院勧告による給与改定を見越した経費がマクロの計算に盛り込まれています。

具体的には、地方財政計画の歳出(通常収支分)において、

令和8年度の給与改定に備え、一般行政経費(単独)に「給与改善費」(4,000億円)を計上

と、まだ行われてもいない人事院勧告であるにもかかわらず、これが発生した際に対応が求められる

人件費の増額補正分を、はじめから地方財政計画において財源保障

しているのです。

さゆり

ざっくり言うと「交付税措置される」、より正確に言えば「普通交付税の基準財政需要額において、人件費増額分が算定に加味されている」という感じですね。

最近の地方税収が好調であるがゆえに、マクロではこういった思い切った財源保障ができるようになっているわけなのですが、一方でミクロの…すなわち個別団体の財政運営になると、話が変わってくる場合もあります。

財政難の自治体がこれについていけるのか

マクロで財源保障がなされていることと、個別の自治体の台所事情は別問題です。

特に、

  • 子ども医療費の完全無償化や給食無償化などの、大規模な地方単独バラマキ事業を実施している
  • 国の集中改革プラン実施時に十分な給与水準の見直しや職員数削減ができていなかった
  • 交付税措置のない公債費の負担が重くなっている

こういったは、

増加する歳出が普通交付税の算定に影響せず、一般財源のやりくりが苦しくなっている

ことが多々あります。

「国や人事院は上げるというけれど、うちの一般財源で本当に賄えるのか?」 「ここで上げなければ若手が流出するが、上げれば将来の人件費負担が重くなり、収支が厳しくなる」

そんな究極の選択を迫られている財政担当者は少なくありません。

2026年は、人手不足解消のための「攻めの改善」を継続したい人事部門と、将来の財政規律を重んじる「守り」の財政部門との間で、これまでにない激しい議論が交わされることになるでしょう。

ねこ

こういうときって、最終的には首長判断になるのかにゃ?

さゆり

判断は首長がした体をとるでしょうが、実際はかなり実務的なところが大きいので、職員上がりの副知事・副市長の役割が大きくなりそうですね。

まとめ:給与改定を待つ間に、私たちがすべき「生存戦略」

2026年の人事院勧告は、単なる「年一度の昇給」以上の意味を持っています。それは、公務員という職業が、今の日本社会において「選ばれる職」であり続けられるかどうかの試金石でもあるからです。

民間賃上げの流れに乗ったベアの期待は高いものの、同時に自治体間の財政格差や、制度アップデートに伴う実務の複雑化など、私たちが向き合うべき課題は山積みです。

給与改定の結果をただ待つだけでなく、こうした社会の大きなうねり(構造変化)を理解しておくことは、現職を続けるにせよ、新しい道を探るにせよ、あなた自身の「市場価値」を正しく見定める力になります。

厳しい状況は続きますが、制度の裏側を知ることで、少しでも心に余裕を持って日々の業務に向き合えることを願っています。

さゆり

公務員も面白い仕事ですけど、一度「役所の外」で自分の価値を客観視してみませんか?実は意外と、公務員って、引く手あまたなんですよ!

ねこ

登録して話を聞くだけでも全然アリなのにゃ!

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この記事を書いた人

20年以上にわたり、市役所・県庁、そして総務省といった「地方自治」の最前線でキャリアを積んだ元地方公務員。自治体経営の要である「財政課長」として、「現場に寄り添う予算査定」をポリシーに、数多くの予算編成や行財政改革を完遂。議会からも厚い信頼を寄せられた実績を持つ。

組織の意思決定の舞台裏で培った「公務員のリアルな実務」と、激務の中で見出した「キャリア構築の知恵」を余すことなく公開。難解な制度や、複雑な職場の人間関係といった壁に直面する現役職員へ、元財政課長の視点から忖度なしの具体的解決策を提示します。

天然キャラながら時に核心を突く相棒「ねこ」とともに、地方自治体の世界を分かりやすく解剖。若手公務員の成長と、組織に埋もれない「賢い生き残り戦略」を全力でサポートします。

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