
【この記事で分かること】
- 国の調査データで見る「公務員は本当に結婚しやすいのか」の実態
- 男性公務員と女性公務員で正反対に出ている、未婚率のギャップ
- 「忙しい部署」と「出会いの機会」の関係について、人事の現場で見えたこと
- 忙しくても出会いの機会を作る、公務員専門サービスという選択肢
正直に告白すると、これはあまり褒められた話ではありません。
財政課長という仕事をしていると、人件費の精査のために、職員一人ひとりの勤務実績や異動歴といったデータに、否応なく触れることになります。本来は予算編成のための、無味乾燥な数字のはずなのですが……長く見ていると、つい余計なことを考えてしまうのが人間の性というものです。
「あの部署、毎年人が足りなくて休暇取得率も低いけど……ここの職員、なんだか独身率が高い気がするな」
そんな、ちょっとゲスな好奇心です。上司として褒められた視点ではないと分かっていながら、一度気になってしまうと止まりません。これはあくまで肌感覚であって、何かの統計を取ったわけでもない、単なる「課長のうわさ話レベルの仮説」に過ぎませんでした。
ところが、暇な時間に国の統計を漁ってみたところ、私の仮説を直接証明するデータではありませんでしたが、公務員と結婚の関係を調べる中で、興味深い結果が見つかりました。
今回は、元財政課長のちょっとゲスな好奇心から始まった、公務員と結婚・婚活にまつわる客観的なデータの話をお届けします。茶化すだけでなく、忙しい現役世代が実際にどう動けばいいのかも、最後まで考えてみたいと思います。
データで見る「公務員は結婚しやすい」は本当か
まず確認したかったのは、「公務員は本当に結婚しやすいのか」という、いちばん単純な疑問でした。
総務省の就業構造基本調査(2022年)をもとにした分析によると、男性の未婚率は、国家公務員で15.3%、地方公務員では9.8%という結果でした。有業者全体と比較しても低い水準とされています。
これを裏付けるように、結婚相談所「パートナーエージェント」が25〜49歳の男性4,800名を対象に行った調査では、職業別の既婚率ランキングで公務員は68.6%となり、経営者(71.0%)に次いで2位という結果になっています。
つまり、男性に関して言えば「公務員は結婚しやすい職業」というイメージは、データの上でもおおむね正しいと言えそうです。
安定した収入、社会的信用の高さ、転勤があっても身元がしっかりしているという安心感——こうした要素が要因の一つと考えられます。
ねこへぇ〜!じゃあ公務員になれば、にゃんでも結婚できちゃうってことにゃ?



それが、そう単純ではないんです。実は「公務員」を男女で分けてみると、まったく違う顔が見えてきます。
意外な事実。女性公務員は男性より苦戦している
ところが、同じ調査を女性に目を向けると、まったく違う風景が見えてきます。
女性の未婚率は、国家公務員で15.5%、地方公務員で15.1%。男性とほぼ同じ、あるいは地方公務員に限れば男性(9.8%)より5ポイント以上も高いという、逆転現象が起きているのです。
つまり「公務員は男女問わず結婚しやすい」というのは、データを見る限り正確ではなく、「男性は非常に結婚しやすいが、女性はむしろ平均的、あるいはそれ以上に苦戦している」というのが実態に近いようです。



えっ、逆になってるにゃ……?女性のほうが結婚に有利そうなイメージあったのににゃ。



私も最初は意外でした。ただ、いくつか心当たりはあるんです。順番に見ていきましょうか。
なぜこのようなギャップが生まれるのか。明確な単一の答えがあるわけではありませんが、いくつかの可能性は考えられます。
一つは、数年おきの異動という公務員特有の働き方です。せっかく関係を築きかけても、異動でリズムが崩れてしまうケースは、男女問わずよく聞く話です。
もう一つは、職場恋愛のリスクです。同じ庁舎・同じ自治体の中で出会いを求めようとすると、人事評価や噂話といった要素が絡み、特に女性側が慎重になりやすいという声も聞かれます。
そしてもう一つ、女性が出産・育児を経てもキャリアを継続しやすい環境が公務員にはあります。もしかすると、これが「結婚・出産のタイミングを後ろに伸ばす」という選択につながっている可能性もありますが、これもあくまで一つの仮説に過ぎません。
女性公務員の未婚率が男性より高い理由については、このようにさまざまな要因が指摘されていますが、統計だけでは理由を断定することはできません。
少なくとも「公務員だから安心」という単純な話ではなく、性別によって全く異なる課題があるという事実は、データから明確に読み取れます。
人事の現場で見た「忙しさ」と「出会えなさ」の相関
ここで、冒頭でお話しした人事課の感覚に戻りたいと思います。
私自身の経験では、残業が多く、休暇取得率が低い部署ほど、職員が私生活に時間を割けていない傾向がありました。これは婚活に限った話ではなく、趣味の時間も、友人との付き合いも、すべてが後回しになっていくという構造です。
以前、当ブログでも夏季休暇の取り方について取り上げましたが、そこでお伝えした「戦略的に休む」という発想は、実は婚活にもそのまま当てはまります。


休みを「なんとなく余ったら取る」のではなく、「最初から確保すべき時間」として位置づける。これは、出会いの機会を作るうえでも同じことが言えます。
忙しい部署にいるからといって、出会いの機会そのものを諦める必要はありません。問題は「時間をどう作るか」ではなく、「限られた時間で、効率的に出会いの場にアクセスできる仕組みを使えているか」なのです。
忙しい公務員でも動ける選択肢
街コンや合コン、知人の紹介を待つというスタイルは、もちろん悪くありません。ですが、異動のたびに人間関係がリセットされ、まとまった時間も取りにくい公務員にとっては、正直なところ効率が良いとは言えません。
そこで近年、公務員向けのサポートを打ち出す結婚相談所もあります。
その一つが「アイ結び」です。公務員試験予備校が運営しているという少し意外な背景を持つサービスで、これまで多くの公務員を送り出してきた実績から、「公務員気質」を理解したサポートが特徴とされています。
身元の安心感という点でも、独身証明書や収入証明書の提出が必須とされており、互いに安心して活動できる仕組みが整っています。これは、公務員という立場上、変な噂やリスクを避けたいと考える方にとっては、特に重要なポイントではないでしょうか。
また、対面だけでなくオンラインでの相談にも対応しているため、異動や多忙でまとまった時間が取りにくい方でも、無理なく続けやすい設計になっています。
もちろん、結婚相談所が誰にとっても正解というわけではありません。ですが、「忙しくて出会いがない」という構造的な課題に対して、効率的にアクセスできる手段があるということは、知っておく価値があると思います。
まとめ:休むことも、出会うことも、戦略的に
夏季休暇の記事でもお伝えしましたが、休むことも、出会いを作ることも、「気合い」や「根性」で乗り越えるものではなく、構造を理解して戦略的に動くべきものです。
公務員という仕事は、安定している一方で、忙しさや異動という独特の制約も抱えています。その制約の中でどう動くかを考えることは、決して甘えではなく、自分の人生をきちんと経営するということだと思います。
財政課長として数多くの予算を見てきましたが、あなたの人生という「予算」を、誰よりも真剣に編成できるのは、あなた自身です。
忙しい毎日の中でも、自分にとって大切なものに、きちんと時間と資源を配分してあげてください。そして……職員の独身率をゲスい目で観察するクセは、私自身もそろそろ卒業しようと思っています。









