
【この記事で分かること】
- 給与が上がっても「不安が消えない」本当の理由
- 「給与=安心」ではない、公務員キャリアの構造的リスク
- 転職を決めていなくても、今すぐキャリアを見直すべき理由
- 「棚卸し」から始めるキャリア設計の具体的な第一歩
2026年の人事院勧告は、春闘結果などを踏まえると大幅な給与改定となる可能性が指摘されています。
春闘5.08%、100人ルールへの回帰、中堅層の底上げ——。数字だけ見れば、公務員にとって「久しぶりの朗報」のはずです。
でも、あなたはどうでしょうか。
給与改定のニュースを見て、素直に喜べましたか。
私が財政課長として各課の給与改定作業を仕切っていた頃、毎年秋になると同じ光景を目にしました。人事院勧告の数字が出て、職員たちが一瞬ざわつく。でも、その興奮は長続きしない。12月に差額支給が振り込まれた翌日には、もうみんな同じ顔をして仕事をしている。
給与は上がった。でも、何かが変わった感じがしない——。
給与と安心は、別の話です
財政課長として20年近く公務員の給与制度に関わってきた私が、断言できることがあります。
給与は「組織の都合」で決まる。安心は「自分の実力」から生まれる。
この二つは、まったく別の話です。
2026年の大幅ベアは、国が「なりふり構わず人材を引き留めようとしている」から実現しようとしています。言い換えれば、あなたの給与が上がるのは、あなたが優秀だからというより、組織が人材確保に本腰を入れているから、という側面が大きいと私は考えています。
財政課の査定会議では、毎年こういう議論が起きます。「この事業、本当に必要か?」「この人件費、削れないか?」——予算という有限のパイをどう配分するか、組織は常に損得で判断しています。給与も例外ではありません。
組織の都合が変われば、給与の方針も変わる。それが制度の本質です。
だからこそ、給与が上がっても「不安が消えない」のは、あなたの感覚がおかしいのではありません。組織に依存した安心の脆さを、どこかで感じ取っているからこそ、その不安は消えないのです。
私がキャリアの壁にぶつかった日
少し、個人的な話をさせてください。
財政課長として脂の乗り切っていた頃のことです。予算編成の修羅場をくぐり抜け、総務省への出向も経験し、客観的に見れば「順調なキャリア」でした。部下も増え、予算規模も大きくなっていた。
それなのに、ある夜、自分の給与明細を眺めながら、ふと思ったのです。
「私はこの先、どこへ向かっているのだろう」
昇任していけば、給与は上がる。でも、その先に何があるのか。定年まで組織の歯車として動き続けることへの漠然とした違和感が、その夜から消えなくなりました。
私が最初にやったのは、「自分のキャリアの棚卸し」でした。これまで何ができるようになったのか。組織の外でも通用するスキルは何か。自分が本当に大切にしたいことは何か。
財政課長として予算の「棚卸し」は毎年やっていたのに、自分自身の「棚卸し」は一度もやったことがなかった。そのことに、そのとき初めて気づきました。
さゆり給与明細は毎月チェックしているのに、自分のキャリアは一度も棚卸しをしていない——そういう公務員が、私も含めて、圧倒的に多いんです。
転職を決めていなくてもOK。今の職場を辞める気がなくてもOK。「自分のキャリアを整理したい」という段階から、プロのキャリアアドバイザーが伴走してくれます。



体験面談は60分5,500円。でも、ここで頭を整理しておくかどうかで、その後のキャリアの見え方がまるで変わります。まず一度、話してみてください。
今、キャリアを見直すべき3つの理由
「キャリアの棚卸しなんて、転職を考えてから」と思っていませんか。それは違います。むしろ、給与改定の今こそ、最もキャリアを見直しやすいタイミングです。理由を3つ挙げます。
理由① 給与改定は「組織の危機感」の裏返しだから
2026年の人事院勧告が大幅改定になろうとしているのは、国が本気で焦っているからです。30代中堅層の離職が止まらない。優秀な人材が民間に流れている。このままでは行政機能が維持できない——人材確保を背景とした官民比較対象企業規模の見直し(100人規模への変更)が進められました。
裏を返せば、組織が人材を引き留めようとしている今は、自分の市場価値を把握する好機と言えるでしょう。転職するかどうかに関わらず、自分の市場価値を把握しておくことが、今後のキャリア設計の土台になります。
理由② 「週休3日・フレックス解禁」は選別の始まりだから
2026年4月以降、多くの自治体でフレックスタイム制の対象拡大が進みました。「勤務時間の柔軟化により、週休3日型の働き方を選択できるケースもある」という制度変更は、一見すると職員への「ご褒美」に見えます。
でも財政課長の目で見ると、これは「時間外勤務(残業)を前提に仕事を回していた人間の居場所がなくなる」変化です。限られた時間で成果を出せる人にとっては最高の環境。しかし、これまで「長く働くこと」で評価されてきた人には、突然ルールが変わる厳しい転換点です。
自分がどちら側にいるか。それを客観的に把握するためにも、キャリアの棚卸しが必要です。
理由③ 「手取りは思ったほど増えない」という現実があるから
給与が上がっても、手取りが思ったほど増えない——これは多くの公務員が実感していることです。社会保険料の等級改定、標準報酬月額の見直し、扶養の変動。給与の増加分が、控除の増加に相殺されていく構造は、制度が続く限り変わりません。
給与という「組織が決める数字」に一喜一憂するより、「自分の市場価値」という自分でコントロールできる資産を育てる方が、長期的には安心につながります。これが、今キャリアを見直すべき最大の理由です。



転職しないとしても、「自分の市場価値」を知っておくのは大事なんだにゃ?



そう。知っているのと知らないのでは、同じ職場にいても、仕事への向き合い方がまるで変わります。「いつでも出られる」と思っている人と、「ここしかない」と思っている人の差は、給与明細には出ないけれど、10年後のキャリアに確実に出るの。
「転職エージェント」ではなく「キャリアセッション」という選択
ここで一つ、整理しておきたいことがあります。
「キャリアを見直す」と聞くと、「転職エージェントに登録すること」をイメージする方が多いかもしれません。でも、それは違います。
転職エージェント:転職する気がある人のためのサービス。求人を紹介することが目的。
キャリアセッション:転職するかどうかまだわからない人のためのサービス。自分のキャリアを整理・棚卸しすることが目的。
私がおすすめしたいのは、後者の段階でまず動いてほしいということです。
転職エージェントに登録すると、どうしても「求人を見せられて、背中を押される」という流れになります。でも今の段階で必要なのは、求人ではなく、「自分は何者で、何ができて、どこへ向かいたいのか」を整理することのはずです。
キャリアセッションは、その整理を一緒にやってくれる場所です。コーチングの手法を使いながら、あなた自身が持っている答えを引き出していく。転職を勧められることはありません。


公務員のキャリアセッションで「見える化」できること
- これまでの経験・スキルの棚卸し:予算管理・住民対応・調整業務など、「当たり前にやってきたこと」が外からどう見えるかを整理する
- 自分の「価値観の軸」の言語化:何のために働いているのか、何があれば満足できるのかを明確にする
- 今後のキャリアの選択肢の整理:現職継続・異動・出向・副業・転職——選択肢を並べて、自分の優先順位で考える
- 「動くとしたらいつか」の見極め:今すぐでなくていい。でも、タイミングを事前に設計しておくことで、いざというときに慌てない



財政課長として毎年やっていた「事業の棚卸し・見直し」。それを自分自身に対してやる——それがキャリアセッションだと、私は思っています。
「転職したい」ではなく「自分のキャリアを整理したい」という段階から利用できます。30〜40代の公務員・元公務員のキャリア支援実績があり、役所特有の事情(異動・出向・副業制限など)を踏まえた上で伴走してもらえます。
体験面談は60分・5,500円(税込)・オンライン。本コースと同様の内容で、サービスの進め方や相性を確認できます。
まとめ:組織の「改定」に、人生のハンドルを渡さない
2026年の給与改定は、あなたに一時的な安心を与えるかもしれません。でも、その安心が「組織の都合」から来ている限り、根本的な不安は消えません。
給与という「組織が決める数字」と、市場価値という「自分が育てる資産」。この二つを同時に意識できるようになったとき、初めて本当の意味での安心が生まれます。
財政課長として予算の全体設計をしてきた私が、今、一番伝えたいのはこのことです。
- 給与改定のニュースに一喜一憂するより、自分の市場価値を把握することの方が長期的に重要
- キャリアの棚卸しは、転職を決めてからではなく、「まだ決めていない今」こそやるべき
- 給与が上がっている今が、最も冷静にキャリアを見直せるタイミング



「話を聞いてもらっただけで、ずいぶん頭が整理された」という声をよく聞きます。60分5,500円、自分のキャリアへの投資として考えてみてください。



5,500円で頭が整理されるなら、安いもんだにゃ!
転職するかどうかはまだ決めていなくてOK。「このままでいいのか」という漠然とした問いを持っている方ほど、一度プロに話を聞いてもらうことで、次の一手が見えてきます。








